2012年4月2日
「決勝大会」こぼれ話
ダノンネーションズカップ2012 in JAPANは、サッカーの試合だけがある大会ではありません。いいプレーをした選手が「ナイスプレー!!」と放送されたり、試合後にリストバンドをもらえたり、いろんな楽しみが用意されています。
会場に入ると最初に目につくのはダノンのブース。そこではヨーグルトや飲料水が配られています。おいおい、そんなに何個も食べて大丈夫?と、こちらが心配するくらい子どもたちは何回もブースにやってきて、ヨーグルトを食べています。でも、楽しみはそれだけじゃないんです。
たとえば、音楽に合わせて絶妙なリフティングをするグループ「球舞」によるパフォーマンス。太鼓の音に合わせてパフォーマーたちが一糸乱れぬ技をみせてくれます。そしてその「球舞」のメンバーが子どもたちにリフティングの技を直接教えてくれるのです。
「球舞」のJINさんも次々にやってくる子どもたちに目を細めていました。「子どもたちが試合で勝負にこだわり、プレッシャーがかかる中で、こっちではリラックスしてやってもらってよかったと思います。試合に勝ったのとは違い、技ができたというのはまた違う喜びですから。それから別のチームの子ども同士で技を教え合うという別の交流も生まれて、それもよかったと思いました。子どもたちは吸収がはやいですね。どんな技をみせても、子どもたちはまずやってみるので、大人は挑戦する子どもを見習わないと行けない(笑)と思います。去年の決勝戦のときもパフォーマンスもしたのですが、そのときに来た子が、その後の僕たちが月に1回浦和の駅前でやっているパフォーマンスにいつも来てくれるようになって、リフティングをすることで集中力がついて、試合でも活躍できるようになって、勉強もできるようになって、ご両親が大喜びでした」
今回は「夢を追いかける子どもたちのために」として、日本代表の長友佑都選手のお母さん、長友りえさんを迎え、FC東京栄養アドバイザーの久保田尚子先生、北澤豪さんとで食育トークショーも開催されました。長友りえさんは「10数年前に佑都が一生懸命頑張っていたころを思い出して感無量でした。私もこのころに戻りたいと思いましたよ。夢に向かって頑張っている子どもたちとか、それを支えているお母さまたちにエールを送りたいと思います」とニコニコとみんなの姿をご覧になっていました。
さらに決勝戦と表彰式の前にはパフォーマンスグループ、EXPGの36人がど派手なダンスで盛り上げてくれました。決勝戦では選手が一人ずつ名前を呼ばれてピッチに入り、自分のポジションに立っているEXPGのメンバーと交代していきます。名前をコールされた選手はみなちょっと照れた様子なのですが、位置につくとたちまちやる気一杯の表情に変わっていました。
勝ち残ったチームだけがこの大会の主人公ではありません。今年はボードに選手たちみんなの手形を取り、そこに名前を書いてもらいました。そのボードは、表彰式で舞台を覆っていた幕が落ちたとき、表彰台の後ろを飾っていました。選手たちみんなが、ここで試合をした証として組んであったのです。
そして順位決定戦で負けたチームは、それぞれのチームで選手たちが名前を書いていたリボンを勝ったチームに渡していきます。優勝したチームは、すべてのチームのリボンと夢をもらって世界大会に飛ぶのです。
では、最後に紹介しきれなかった、各チームの監督のコメントを掲載しておきましょう。
Uスポーツクラブ(山梨県)の清水純也監督
「決勝大会ということで、愛知予選大会に比べて選手に固さが見えました。でもセレッソ大阪U-12に敗戦したのですが、そこでリラックスできました。大会に参加する意味というか、やはり楽しみながらうまくなるということを、そんな姿勢を貫くことが次につながるんじゃないかと思いました。やられたことは反省して。決勝大会ということでその空気に僕たちも重くなってしまっていた」
ヴァンフォーレ甲府U-12(山梨県)西川陽介監督
「ゴール前の粘り強さが違って、なかなか割らせてもらえないですね。ゴール前にはダイナミックさがないと、なかなか得点につながっていかないのですが、その思い切りが向こうの方が強いのに、こちらが出せませんでした。愛知予選大会に比べて決勝大会は質が上がっていますし、僕たちも準備してきたつもりですがフィニッシュが相変わらずの課題で、そこを試合をやりながら成長できればと思います」
ISE YAMATO FC Jr(三重県)の渡邉研太監督
「決勝大会はいつもやっているチームとレベルが違うので、そこでどこまでやれるか試す場だと思ってきました。そういう意味ではうまくやれている部分と、やれていない部分と見えてきたので、今後につながると思います。いいときとよくないときの波があるので、そこが課題だと思います」
アスペガス生駒フットボールクラブ(奈良県)の杉本靖真監督
「予選から勝ち上がっているので、敗退したチームのためにも無様な負け方はしていけないと思っていました。目標は大きくといいたいところですが、まだそんな力はないので、まず決勝トーナメントを目ざしたいと思っています」
多賀城フットボールクラブ(宮城県)の鈴木裕コーチ
「一生懸命やらないと楽しくないので、そこを子どもたちに言っています。楽しくなりたいのなら必死にプレーしなさいって。そうでないと君たちのために、思い出にならないよって。それでも最後は集中力が切れましたね。大会に出られて本当にありがたいです。機会をいただいて、ここに集まっているのは日本でのトップクラスのチームばかりなので、こういう相手と対戦できるチャンスをいただいて本当にありがとうございました。この子どもたちも、ずっとサッカーをやっていけば、大人になったときどこかで花咲くかもしれないし。それが楽しみです」
塩釜FC(宮城県)亀山博之監督
「今回出場した5年生は試合を経験するごとによくなってきて、この大会で全国の強豪と対戦させていただいて伸びてきたと思います。成長を感じますね。とてもチームとしてはプラスになったと思います。決勝大会はいつも慣れているスピードとは違いますね。欲を言えばもう一日大会を延ばしていただいて、もっとたくさん試合ができればと思います。この大会のレギュレーションは素晴らしいですね。運営もしっかりしているし。MCさんがいて盛り上げて、という環境も普段はそんなことないので、いいと思いますね」
「ちょうど10年前に吉田弘さんと内山篤さんと一緒に選抜チームを率いて世界大会に行きました。そのときは13歳に清武弘嗣、12歳に齋藤学などがいて、世界の基準と日本と何が違うのかと僕がビデオを編集してまとめたり、日本サッカー協会に小学生のレベルでこれでは世界に追いつくのは大変だと言ったんです。そのころ言われていたのは日本の子どもは海外に行くと体を生かして勝つ、ということで、実際に勝ったりするのですが、たとえばアルゼンチンと比べるとまるで違うんです。ロシアと対戦したときに日本は21本のシュートを打つのですが1点しか入らない。アルゼンチンは7本のシュートで4点取るんです。その7本のシュートをいかに演出するか、ボールを動かしながら相手を引き出して、とか。時間帯によってプレーを変えるし、ベンチとも審判とも駆け引きするし。日本では一生懸命プレーしなさいと言うけれど、そういうアルゼンチンのやり方が世界のフェアプレーじゃないかと話をしていました。それに南アフリカの子どもたちは部族の代表ができてお互いの言葉が通じないとか、ホテルの廊下でサッカーするとか。日本ではきっと怒られるようなことをやっています。オランダは小学生のうちからワイドにボールを動かしてとか、オランダ協会のシステムが降りてきているようなサッカーをしていました。だからいろいろ変えていかないと、日本は置いて行かれるんじゃないかと。だからその翌年なんかは大会見学をしました。そこから10年経って、ナショナルトレセンから駆け引きは取り入られるようになったと思いますし、変わった部分もあると思いますが、まだまだ日本にはやることがあるでしょうね。この代表のチームが世界大会に行って、それをみんなに還元してほしいと思います」





